テレジンを知るための本
日本ではほとんど知られていなかったテレジン収容所。
親から離され、飢えと寒さに苦しみながら生きていた1万5000人の子どもたち。
次々とアウシュヴィッツへ送られる過酷な日々。
数少ない生存者への取材をかさねて知った、その生活。
彼らが「たった一つの楽しかった思い出」と語る絵の教室。
ありあまるほどの自由と物質にかこまれて生きる私たちだからこそ、この事実を知らなければいけない。
健気に生きた素晴らしいこどもたち、
そして、子どもたちのために命がけで立ち上がったおとなたちがいたことを。
そんな思いから生まれた野村路子の著書。ぜひ、読んでください。
新伝記 平和をもたらした人びと 4巻
『野村路子とテレジン収容所』強制収容所を伝える作家
世界の歴史の中で、平和のために力を尽くした人物に関する伝記。収容所のユダヤ人の子どもの絵を紹介した野村路子の事績を小学校高学年向けに読みやすく再話。挿絵や写真などを豊富に盛り込み、脚注やコラムで難しい用語や社会情勢について解説している。野村路子は、多くのユダヤ人が命を失ったチェコのテレジン収容所で子どもたちが描いた絵を見て心をうたれ、多くの人に伝えることを誓う。
生還者(サバイバー)たちの声を聴いて
──テレジン、アウシュヴィッツを伝えた30年
「わたしたちの《遺言》だと思って書き残してほしい」(強制収容所からの生還者の言葉)──ナチスの収容所で描かれた子どもたちの絵を日本に紹介し、30年にわたって活動してきたノンフィクション作家(NHK Eテレ「こころの時代~宗教・人生~」〝テレジンの絵は語り続ける〟〈2019年6月、2020年7月〉出演)がつづった渾身の一書。
著/野村路子 第三文明社 定価:1,545円(税別、本体価格)
テレジン収容所の小さな画家たち詩人たち
アウシュビッツのこだまする15000人のアンネの叫び
——残されていたのは、子どもたちの絵が4000枚、詩が数十編……そして、生き残っていた子は、わずか100人だけでした——
人間の残虐性の極致——その象徴である、ナチスドイツの“強制収容所”。高い塀と有刺鉄線、過酷な労働と空腹感・飢餓感、非人道的な拷問、常軌を逸した人体実験、そして不条理な死。そこでは大人たちと同じく、子どもたちもまた、過酷な生活を強いられていた……
本書は、アウシュビッツへの中継地点であった“テレジン収容所”という地獄に閉じ込められた子どもたちの心の叫びを表した、絵や詩などを収録——彼らの生命のメッセージを聞き逃してはならない、決して。(本文より)
著/野村路子 1,200円 Kindle 価格 ご購入はこちらから
テレジンの小さな画家たち
~ナチスの収容所で子どもたちは4000枚の絵をのこした~
産経児童出版文化賞大賞受賞作
たった一枚の絵をのこしてアウシュビッツで殺された子どもたち。収容所の中で、遊園地やサーカスの楽しい思い出の絵をかきのこしていた子どもたち。この本は、生きのこった子どもたちに取材して書かれたものです。
著/野村路子 1,575円(税込) ご購入はこちらから
子どもたちのアウシュヴィッツ
「ユダヤ人に生まれた」というだけの理由で子どもたちは収容所に入れられ、苛酷な運命を辿ることになった。ホロコーストの犠牲になった子どもたちの姿を生存者の証言を交えながら描く。
著/野村路子 1,575円(税込) ご購入はこちらから
15000人のアンネ・フランク
アウシュビッツのガス室に消えた子どもたち。中継収容所から発見された絵は、子どもたちがこの世に書き残した、いのちの証です。
著/野村路子 四六判 256ページ 上製 定価2,300円+税
フリードル先生とテレジンの子どもたち
~ナチスの収容所にのこされた4000枚の絵~
アウシュビッツへの中継地テレジン収容所にいた1万5000人の子どもたち―
奇跡的に生き残った人びとの証言が描き出す現代史の深き闇と光!
著/野村路子 2011年12月2日発刊 B6版ソフトカバー
定価945円(税込み) ご購入はこちらから
テレジン収容所の小さな画家たち詩人たち
「テレジン強制収容所」の中でも、子どもたちは未来を信じて夢を描き、希望を詩に託した。それらが今日に伝えるものは何か。
編訳/野村路子
A4変型 96頁 カラー30点
2,310円(税込) ご購入はこちらから
写真記録:アウシュビッツ ―ホロコーストの真実― 全6巻
1 アウシュヴィッツを生み出したもの
2 ユダヤ人はなぜ殺されたのか
3 恐怖のアウシュヴィッツ
4 その時アンネ・フランクは… 子どもたちは見ていた
5 闇の中の芸術活動
6 証言
1995年、アウシュヴィッツ解放50周年記念出版。ドイツ・アメリカ・ポーランド・チェコ・イスラエルなどで集めた膨大な写真をもとに編集されたもので、日本初公開の写真も多数掲載されている。5巻には、テレジンの子どもたちの作品、6巻には、当時のテレジンの子どもたちのことなどが紹介されている。
監修/大江一道 編集構成/野村路子 全巻揃定価/59,800円
ほるぷ出版(各地の図書館にお問い合わせください)
絶望の中の光―The witness of the history〈1〉
画/ヤン・コムスキー 編・解説/野村路子
地獄の中の愛―The witness of the history〈2〉
画/ミェチスワフ・コシチェルニャック 編・解説/野村路子
ロングセラーを生んだ編集者(読売新聞2011年7月30日)
「ロングセラーを生んだ編集者という企画で、安彦さんに、読売新聞から取材がはいります」と、偕成社の方からメールが来たのは、もう一ヶ月ほど前でした。
安彦道代さん、『テレジンの小さな画家たち』の編集者です、というより、1990~91年の『テレジン収容所の幼い画家たち展』開催準備中、「展覧会を成功させる会」の事務局長として、本当に力を貸してくださった人です。 その安彦さんのことが、7月30日 読売新聞夕刊に大きく載ったのです。
まだできるかどうかも分からない状態の中で相談に乗っていただき、協力者を求め、開催地を探すための企画書を作り、見積書を作り、スポンサー探しの依頼書を作ったりした、懐かしい思い出がいっぱいです。慣れない仕事で何がなにやら分からないけど、何しろ、展覧会をやりたい! テレジンの子どもたちのことを日本で紹介したい! と動き回ったものでした。
「終わったら、本を書きます」というお約束だったのに、91年の全国巡回展が終わっても、開催希望が次々と舞いこんで、なかなか原稿用紙に向かうこともできず、まして、はじめての児童書でした。「展覧会の会場で、小さい子どもたちに話をして上げていたでしょう、あのままに書けば大丈夫」 戸惑う私にそんなアドヴァイスをくださいました。そのおかげで出来た本でした。そして、そのときのことが、今度の教科書や、今も各地で開かれる小・中学校での講演会や公開授業などに役立っています。
私を支え、作品を書かせてくださった安彦さんに、あらためて感謝し、この記事を紹介します。