テレジン通信:2013年12月

2013年12月12日

10月17日 川越市立第一小学校 家庭教育学級

2月に、川越中央公民館で、青少年育成会議主催の講演会をしました。『生きる力』と題して、テレジンの子どもたちの絵を展示し、極限ともいえる境遇の中でも、支えてくれる大人の力があれば、子どもたちは生きる力を持つことができる。絵を描いたり、詩を綴ったり、美しいものを美しいと感じる感性を保ち続けることが大切なのだということ、子どもたちが希望を失ったり、笑顔を見せなくなるようなことがあっても、大人が、それを取りもどしてあげることができるのだ、というお話をしました。

それを聞いてくださった方の推薦があって、地元・川越の小学校での講演会が実現しました。

 

主催してくださったPTAの役員の方から

テレジン収容所ではかない命を懸命に生きた子どもたちの、生の証のような絵について、お話を伺うことができ、胸が痛むとともに、今、生かされていることへの感謝と命の尊さを改めて感じました。

どんな非人間的な状況にあっても、人間として大切なものを守るために自らの危険を顧みずに命がけで行動した大人たちがいた事実にも、大変感銘を受けました。

というお手紙に添えて、聞いてくださった方たちの感想が届きましたので、いくつかご紹介します。

 

今日は、とっても貴重なお話を聞けてよかったです。ありがとうございました。泣けました。

笑顔を失った子どもたちに命がけで笑顔を取り戻し、希望を持たせた大人たちやフリードル先生のことを知って深く感動しました。そのことや、子どもたちの生きる力の素晴らしさを伝え続ける野村先生にも、感銘を受けました。これからの人生、私も子どもの笑顔のために生きようと思います。

 

 

野村先生のお話を伺って、当時の子どもたちの痛み、苦しみや、悲しみを思うと心は痛み、苦しくなります。今あるこの生活は、当たり前のものではなく、一つ一つのもの、こと、生きていることでさえ、とてもありがたく、貴重であることを実感しました。子どもにも、必ず伝えたいと思います。

 

 

お話の途中、涙されているお母様が多数いらっしゃったのが印象的でした。第一小学校の生徒にも、先生のお話が聞けたらいいなと思いました。

 

 

思わず話に聞き入ってしまいました。ユダヤの子どもたちが、どんな状況で絵を描いていたのか、どんな気持ちで描いていたのか、想像もつきませんが、すごい貴重な話を聞けて良かったです。ありがとうございました。

 

福岡・北九州『テレジン展~いのち こどもとおとな~』の感想文集から

今年も行った福岡市では、2010、2011年にも、『テレジン展』は開催されました。

「そよぎの会」が主催した福岡アジア美術館、福岡市立草香江小学校、筑紫女学園中学・高等学校、パナソニック・リビング福岡ギャラリー、西南学院大学コミュニティーセンター、北九州市立八幡図書館、同戸畑生涯学習センターなどなどの会場で集まったアンケートをまとめた文集をいただきました。

 

全部、紹介したい!と思うほどうれしいものです。そう、私の書斎の本棚の上には、いくつもの大きな段ボール箱が積み重なっています。(あの3・11の時は無事でしたが、揺れの方向によっては危険!と、何度も注意されています。崩れ落ちたら、そして、その時私が本棚の横のデスクで仕事をしていたら…? たしかに怖いのです。その中身は、1991年『テレジン収容所の幼い画家たち展』をはじめて開催した時からの、アンケートや感想文集、お手紙などなのです。どれも、絶対に捨てられない、忘れられない私の宝物。この宝物があるから、私は、いろいろ大変なことがあっても、テレジンから離れることができないのだと思っています。)

 

本当は、全部まとめて本にしたい!! いつも、そう思っています。

今回の、感想文集からいくつかをご紹介します。

 

ぼくは、初めて「テレジン」というのを知って、絵からも、どんだけすごいことが起きていたのか、よくわかりました。文章を読むと、一日の食事も、小麦粉のダンゴが一つや、くさりかけのジャガイモを食べていたと知って、とても心が悲しくなりました、今の現代ではないようなことが昔はあったと考えると、とても怖くなりました。同じ年(13歳)なので、あの子たちの気持ちが分かります。またこのようなきかいがあれば、進んで参加したいと思います。

(中学1年)

 

自分が死んでしまうかもしれないときに、他の人のために動いたフリードルせんせいは、すごいと思います。このような人が、どんな有名人よりもえらいと思います。実際に会ったことを繰り返さないように、次の世代に伝えられるように、忘れずに、役立てるようにしたいです。今日、来てよかったです。ありがとうございました。

(中学1年)

 

精神的に追いつめられ、生きる希望をなくしてもおかしくない子どもたちが、花や蝶の絵を抱いたり、詩を作ったりしていることに感動しました。

また、子どもたちに絵具や紙を与えた大人たちも、本当に素晴らしいと思いました。

私も、どんな時でも、子どもたちの未来を一緒に考えるような大人になりたいです。

一日一日を精一杯、生きて行こうと思いました。

(高校1年)

 

子どもたちの一生懸命さと、「生きたい」「帰りたい」という悲痛な叫びが、一枚いちまいの絵から伝わってきました。ユダヤ人に生まれたというだけで何の罪もない人間を、他の人間が殺すのは間違っていると思います。とても理不尽です。そんな理不尽が通用する社会を二度と作ってはいけないと感じました。

(高校3年)

 

本当に感動しました。ありがとうございます。

過酷な毎日のなか、ひたむきに生きようとした子どもたち。

絵を描く時間が、どんなに尊く、楽しい時間であったことか・・・。

アウシュビッツに消えた子どもたちや、子どもたちを見守った大人たちのことを決して忘れてはいけないと思いました。

(50歳代)

 

まだ幼い子ども達が、一生懸命に光を見出そうと努力し、希望を持ち頑張っていた様子が感じられ、とても心が痛みます。

今の私の出来ることは何でしょう?

今の子ども達は、果たして幸せなのでしょうか?

この豊かな時代なのに、多発する少年犯罪や自殺、いじめ。今の子どもたちに足りないものがあるのではないでしょうか?

(60歳代)

 

収容所という絶望の空間の中で、テレジンの子どもたちは、大人たちに守られて笑顔を取り戻し、人を思いやり、絵を描きました。大人たちが、子どもたちに教えようとしたことは、今、そして未来の人たちへの必死のメッセージだと思います。

それをきちんと受け止め、伝えていきたい。

(年齢不詳)

 

九州大学中央図書館での展覧会には、ちょうどオープンキャンパスで訪れていた高校生が大勢見に来てくださって、感想を残してくれたのだそうです。

 

「絵を描くことだけが一番の幸せだった」という言葉が、心にささりました。あらためて今は平和だなぁと思い、もっと当時のことを知らなければいけないと思いました。このような、とても考えさせてくれるような展示会に会えてよかったです。ありがとうございました。

 

 

今では考えられないようなことばかりでした。いかに自分が恵まれた環境下で時間を無駄にしていたか感じることができました。非常にいい経験をすることができました。今後も、本当に起こったことを見、伝えていかなければならないと思いました。

 

 

過酷な状況に置かれた子どもたちが何を考えていたのか少しでも知ることができた。とても衝撃を受けました。絵を見て、人間の希望や強さを学びました。このことをもっと多くの人たちに知らせていくことが重要だと思います。