テレジン通信:2011年11月

琵琶湖イベント<抱きしめて BIWAKO>レポート

2011年11月6日開催

 

琵琶湖一周235キロを25万人が手をつないで抱きしめよう・・・という、大きなイベントが開かれました。環境を守り、命を守ることの大切さを、手をつないで確認しようというものです。残念ながら、前日が雨、当日も朝から雨がぱらつく天気で、目標には届かなかったものの、16万5000人が手をつなぎました。

テレジンの幼い画家たち展
テレジンの幼い画家たち展

「愛と人権のゾーン」(大津プリンスホテル)では、『テレジンの幼い画家たち展』が開かれました。会場には70枚のパネルを展示、1999年放映の野村が出演しているテレビ番組と、20年前に札幌藻岩高校の放送部が作ったビデオを流しました。10時のスタートから見に来てくださる方が続き、手をつないだ後には、会場で、野村が、テレジンの子どもたちについてお話をしました。

夏に北九州・福岡市内の小学校をふくむ各所で展覧会を開催してくださった、水口和子さんがわざわざ出かけてきてくださったのも嬉しく、つくば展に行かれなかったという茨城県取手市の富山直子さんが、お母さまと一緒に見にきてくださいました。

 

テレジンの幼い画家たち展
大津プリンスホテルで行われた『テレジンの幼い画家たち展』では、70点のパネルを展示。

 

終了後、一部のパネルは芦屋市へ移動。

11月15日は、芦屋市の甲南学園で展示、野村の講演会もあります。甲南学園は創立100周年にあたり、PTA講演会『今、ここにある幸せ―テレジンの小さな画家たち』と題してお話します。

同学園は、子どもたちの徳育の必要性を教育理念にしており、PTAでは、「関心、感動、感謝」をスローガンにしていらっしゃるとのこと、子どもたちの幸せについて一緒に考えるような講演をしたいと思っています。

詳しいご報告は後日させていただきます。

テレジンを語りつぐ会・代表 野村路子

(社)日本美術家連盟<連盟ニュース>に野村路子の原稿が掲載されました

日本美美術家連盟「連盟ニュース」

テレジンを語りつぐ会・代表の野村路子は、社団法人日本美術家連盟から依頼を受けて書いた原稿、『絵を描くことは生きる力になる ~フリードル・ディッカーとテレジンの子どもたち~』が、当連盟の会報誌「連盟ニュース」に掲載されました。

記事をご覧になりたい方は、下記PDFにて。

野村路子『絵を描くことは生きる力になる』 連盟ニュース2011年10月号より
JAAnews201110.pdf
PDFファイル 418.9 KB

奈良市富雄北幼稚園<テレジンの小さな画家たち展&野村路子の朗読会>レポート

2011年10月開催

 

奈良市富雄北幼稚園で、10月にテレジンの展覧会と、私の著書の朗読会を開いていただいきましたが、その後に届いた子どもの絵とお手紙の一部をご紹介させていただきます。

奈良市富雄北幼稚園の子どもの絵
画像をクリックすると拡大でご覧いただけます

「・・・平和教育における地祭にあったことを学ぶとても良い機会をいただきました。話を聞いた年長児は、自分たちとあまり年の変わらない子が、そんな経験をしていたことを、オアネルを通して知りました。毎日、当たり前のようにしている生活や、みんなが仲良く暮らせることの幸せや大切さを、子どもなりに気づいたり感じたりしていたようです。」 (お手紙の一部より)

テレジンを語りつぐ会・代表 野村路子

川口市鳩ヶ谷公民館<野村路子 講演会>レポート

2011年10月23日開催

“『15000人のアンネ・フランク』アウシュビッツに消えた命野村路子さんのお話を聞く集い”

 

10年以上も前から、川口親子劇場の佐藤恵子さんとはおつき合いがありました。 

劇団民芸の『アンネの日記』公演のお手伝いをさせていただいたり、テレジンの展覧会やコンサートにも来ていただいていました。

今年もまた「ハンナのカバン」の公演をする予定で、その理解のために、テレジン収容所のこと、そこで暮らした子どもたちの思いなどを聞きたいとのことで、お招きを受けました。

テレジンを語りつぐ会・代表 野村路子

つくば美術館<テレジン収容所の小さな画家たち展>レポート

開催期間:2011年10月18日~23日

 

1991年の、日本全国23会場巡回展のときと同じ会場で、20年ぶりに、新しい方たちの力で開かれた展覧会には、特別の思いがありました。

野村は、初日にギャラリートークをさせていただきましたが、牛久の秦靖枝さん、吉岡靖子さん、取手の大須賀原子さん、新しい本を編集中の出版社の方たちも来てくださいました。展示会場を回りながら、それぞれの絵の説明などをしていると、20年前に同じことをしていた各地方のことなどが思い出されてなりません。

あの展覧会スタートのころは、中学生や高校生の自殺がつづき、その背景にあるのが、友だちであるべき人たちのいじめであるという事実が社会問題になっていました。そんな中で、生きているって素晴らしいことなのよと伝えたい、テレジン収容所のような過酷な生活の中でも、子どもたちは明日はいい日が来ると信じ、明日への希望を持つことで仲間への優しい心を取り戻すことができたのだということを伝えたいと思っていました。

 

東京新聞2011年10月23日
東京新聞2011年10月23日(画像をクリックすると拡大でご覧いただけます)

あれから20年、私たちを取りまく世界はよくなったのだろうか、子どもたちは幸せになったのだろうか・・・と

考えると、胸が痛くなりました。

震災・津波で、大切な家族や友だちを失った人、家や職場を流され、明日からの生活の不安を抱えている人、そして、放射能の不安から、家に帰ることもできない人、丹精して作った野菜や、家族のように大事にしていた家畜を、「汚染されたもの」として捨てさせられている人。一方で毎日のように新聞に載る親が子を死に至らしめる虐待、理由もない殺人事件。

やっぱり今も、テレジンの事実は伝え続けなければならないのだと、しみじみ思いました。

実行委員長の関谷和子さんの努力、たくさんの人の協力で、つくば展は大成功に終わりました。

本当にありがとうございました。

テレジンを語りつぐ会・代表 野村路子