■テレジン通信

2024年

8月

05日

2024年9月16日:「戦争を生き抜いた音楽」~テレジンミュージックを中心に~

2024年9月16日:「戦争を生き抜いた音楽」~テレジンミュージックを中心に~
2024年9月16日:「戦争を生き抜いた音楽」~テレジンミュージックを中心に~
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6月にまたテレジンを訪ねました。1日目にはディタ・クラウスと会いました。94歳(7月に誕生日が来て、今は95歳)の彼女と、87歳の私、もう最後の機会の機会になると思いながら「See you again!」と言って別れましたが、本当はまだまだ聞きたいことがたくさん残っているような気がします。

 

その翌日、テレジンの、今はまた普通の人が住むアパートになっている「女の子の家」の地下室と、今は博物館になっているマグデブルグ・バラックの屋根裏部屋を、やっと……最初にテレジンに行き始めてから33年、ずっと見たいなと思っていた場所です。テレジンの子どもたちは、フリードル・ディッカーの絵の教室で、希望を捨ててはいけないと繰り返し言われ、明るい生き生きした絵を描きましたが、もう一つ、ハンス・クラーサの作ったオペレッタ『ブルンディヴァル』を演じ、観るという奇跡に近い時間を得ていました。この練習をしたのが地下室、そして上演したのが屋根裏部屋です。

 

テレジンには音楽家や詩人・作家・画家など才能あふれる人たちが多く収容されていました。彼らはみな、自分たちの創作によって子どもたちに希望を与えるという素晴らしい活動をしました。

 

今年9月のコンサートは、日本の戦時下を生き抜いた童謡や、テレジン収容所で、子どもたちが聴衆も含めて「歓喜の歌」として歌った『ブルンディヴァル』の「勝利の歌」、ユダヤ人が自由に生きていられた佳き時代に、パリでハンス・クラーサが親しくしたラヴェルの曲、『サウンドオブミュージック』で知られるトランプ・ファミリリーのことなどをお話しながら、たくさんの音楽をお聞かせします。

 

ぜひ聞きにいらっしゃってください。申し込みは野村(teresien.japan@gmail.com)まで、どうぞ! 

2024年

5月

13日

テレジン通信:学研【新伝記 平和をもたらした人びと】で【野村路子】が紹介されました。(2024年5月)

学研「野村路子とテレジン収容所  強制収容所を伝える作家」
学研「野村路子とテレジン収容所  強制収容所を伝える作家」

この度、Gakken(学研)から出版された【新伝記 平和をもたらした人びと】のシリーズで、テレジンを語り継ぐ会代表の野村路子が取り上げられ、紹介されましたことを、ご報告いたします。

 

新伝記 平和をもたらした人びと 4巻

『野村路子とテレジン収容所』

  強制収容所を伝える作家

 

野村本人は「緒方貞子氏、杉原千畝氏、ミュンヘンの白バラやロバート・キャパ、国境なき医師団などと並んで、私などとんでもない」「伝記はせめて死んでからにしてください」と、企画の段階からお断りしていましたが、Gakken(学研)のご担当者がテレジンの展覧会や講演会にも来てくださり、半ば押し切られるように原稿が上がってしまい、結果、根負けして出版という運びになりました。

 

野村の気持ちはさておき、私たちテレジンを語り継ぐ会事務局としては、これまでの活動が大いに評価されて本当に嬉しいですし、関わってこられた事を誇りに思います。

これも展覧会などにお越しいただいた方々、運営に携わってくださった方々など、この活動を支えてくださった多くの皆様のおかげです。

そして何より、どんな困難な状況でもあきらめずにテレジン収容所とその子供たちの絵を紹介し続け、反戦を訴え続けた野村路子という作家を心から敬愛いたします。

 

Gakken(学研)の【新伝記 平和をもたらした人びと】シリーズは、世界の歴史の中で、平和のために力を尽くした人物に関する伝記です。『野村路子とテレジン収容所 ~強制収容所を伝える作家~』は、収容所のユダヤ人の子どもの絵を紹介した野村路子の事績を小学校高学年向けに読みやすく再話。これからの日本と世界を担う子供たちに読んでいただきたいと思います。

 

2024年5月 テレジンを語り継ぐ会事務局 いしだ