パネル修復のためのカンパのお願い
1991年から今までに、北は北海道から南は沖縄まで、200回を越す展覧会が開かれました。今も、埼玉平和資料館に保管され、全国各地へ貸し出しが続いています。
真っ白だった運搬用の木箱は多くの開催地への旅をした証拠のように、黒ずんで傷もついています。その箱の中に収納されているパネルも、長い年月を経て、かなり傷んでいます。
埼玉平和資料館では毎年、社会科の実習でくる中学生に、大切な収蔵品の扱いなどを教えながら、一枚一枚布で拭き、壊れた吊金具を取り替えたりしてくださっていますが、それでも、いわゆる老朽化の損傷は避けられません。
展示パネルは1990年に、チェコ共和国のユダヤ博物館から日本での永久使用権とともに提供された150枚の写真フィルム(平和資料館に保存)から作られたものです。
さらに、イスラエルのヤド・ヴァシム(ホロコースト虐殺資料館)などのご協力を得て作られた、資料写真による解説パネルと同館提供の絵の写真パネルを合わせて、120枚あります。
2008年に展覧会、コンサートを開催した牛久市の実行委員会が、会場でパネル修復のためのカンパを集めて寄付をしてくださいました。それを基にして、2009年には学校などへの貸し出しができるように代表的な絵を選び、分かりやすい解説を加えた12枚の新しいパネルを作ることができました。
また2009年は、文京シビック・ホールでのコンサート『テレジン もう蝶々はいない』上演に際して、「テレジンを語りつぐ会」が、ひろく皆さまに協力をお願いし、会場でもカンパを集めさせていただきました。その後、展覧会・講演会・コンサートを主催してくださった「柏 テレジンの会」や、展覧会を数回開催してくださった福岡・北九州の「テレジンの会」からもカンパをいただき、新しくさらに20枚のパネルを作ることができました。
新しいパネルは、これまでの絵を紹介し、テレジンの事実を伝えるだけのものから、今のプラハ、テレジン、そして生き残った“子どもたち”やフリードル・ディッカーのことを新しく書き直した説明文を入れたものです。大きさも、これまでの90×90cmから、90×60cmにし、展示は、これまでのパネルと並べてできるけれど、搬送が少し楽になるようにしました。
2011年には、日本での展覧会がはじまって20年になります。
戦争の記憶の風化…とよく言われますが、パネルの損傷が、テレジンの子どもたちの存在を忘れる方向に行ってしまうことを何よりも案じています。
そこで、パネル修復の費用を、これまでに関わってくださった多くの方々、展覧会に足を運んで、あの子どもたちのメッセージを聞いてくださった方々のご協力で集めたいと考えています。
1000円以上のカンパをして下さった方々には、2002年にチェコ公演の報告を兼かねて開催したコンサートで作ったDVDを、お礼に差し上げています。
まだコンサートを見たことのない方、こんなコンサートがあるのよと、友人・知人に知らせようと思ってくださる方からは、「売ってください」と言われますが、販売はしておりません。あくまでも、パネル修復のカンパのお礼としてお渡しするものです。
どうぞ、私たちの気持ちをご理解頂き、
カンパにご協力くださいますようお願いいたします。
また、子どもたちの絵の絵葉書も作りました。
こちらは、8枚セット1000円で販売し、
この売り上げも、パネル修復にあてます。
カンパにご協力くださる方、また絵葉書のご購入をご希望の方は、
ご連絡頂けますようお願いいたします。
展示パネルを新しく20点作成しました
※上記画像をクリックすると、拡大写真がご覧いただけます。