『テレジン収容所の幼い画家たち展』が、日本で初めて(世界では3回目)開催されたのは、1991年4月、熊谷・八木橋デパートのカトレア・ホールでした。その年は、北は北海道・士別から、南は鹿児島まで23カ所巡回展で、それで終了するはずでしたが、「感動の涙 8万人が見た」などという記事がいくつもの新聞に載り、その後、「私はまだ見ていない」「私の街でも開きたい」「ぜひ見たい」という声がたくさん寄せられました。
幸い、埼玉県のご協力を得て、平和資料館にパネルを寄託、92年から全国への貸し出しが可能になり、今も、全国各地で展覧会が続いています。多くの仲間からのカンパで、新しいパネル・セットも作り、小・中・高校への貸し出しもあり、すでに全国で展覧会開催は200回を越しました。そして、初めのときと同様、多くの感動の声が寄せられています。
27年という長い時を経て、「また、熊谷に帰ってきました」とご挨拶できること本当に嬉しく思っています。あのころの小学生は、もう、小学生の子どもを持つ親になっているかも知れません。そんな方たちに見に来ていただきたいと心から願っています。
生き残った《テレジンの子ども》に会うためにイスラエルへ行ったのは、湾岸戦争のときでした。だから、展覧会では、絵から聞こえる子どもたちの「お腹いっぱい食べたい」「学校へ行きたい」「自由に野原を走り回りたい」という願いに涙する人が多かったのです。
たった一枚の絵を遺して、アウシュヴィッツのガス室で命を断たれた子どもたちの「もっと生きたかった」「戦争さえなかったら…」という声が、日本のたくさんの人の胸を打ったのです。
あれから27年が過ぎましたが、今もまだ、飢えに泣く子がいます、爆撃に怯え、命を奪われている子どもたちがいます。
まだまだ、あの子たちの声を聞かねばならないのです。もう一度、あの子どもたちの絵を見てほしいと思います。声を聞いてほしいと願います。
数少ない生き残った方も高齢になり、悲しいことに訃報が続きました。でも、あの絵を描いた子どもたちは今も子どものままです。小さくなったクレヨンで、拾った紙切れに描いた絵、160枚を展示します。ぜひ見に来て下さい。
テレジンを語りつぐ会 野村 路子
『テレジン もう蝶々はいない』 ミニコンサート
テレジン、プラハでも上演した、あのコンサートのミニ・バージョンです。
(作:野村路子 作曲:中村ヨシミツ)
【日時】6月9・10日 13:00頃から 展覧会会場内
【出演】ギター:中村ヨシミツ 歌:三原ミユキ 語り:野村路子
入場無料
『テレジン、アウシュヴィッツへの旅から』 自作詩の朗読
【日時】6月10日 14:00頃から 展覧会会場内
【出演】詩人・中原道夫
他に、会場内で、随時、野村路子のギャラリートークをいたします。
入場無料