あけましておめでとうございます
私がテレジンの子どもたちの絵に出会ってから、四分の一世紀が過ぎました。
子どもたちの夢や希望を奪い、才能や可能性を断ち切った「力」に怒りを覚え、私たち大人が、彼らの「生きたい」という願いに応えなければならないという思いを紡ぎ続けてきた日々でした。
「絶対に戦争をしない」国だったはずの日本が「戦争をできる」国になってしまった昨年、テレジンの子どもたちの絵は、いつもに増して多くの地域で、多くの方に出会いました。その活動を評価して下さった「埼玉文化賞」受賞は、各地の仲間の広がりのおかげだったと嬉しく思っています。
来年は、戦争終結70周年、アウシュヴィッツ解放70周年です。50周年の記念出版がきっかけで入手したポーランドの画家ミエスチワフ・コシチェルニャックの絵の展覧会を開き、多くの日本人-とくに若い世代に、アウシュヴィッツの事実を知ってもらいたいと思っています。
そこから何を学ぶか…。彼の絵、彼の生涯は、テレジンの子どもたちのそれらと同様に、多くのメッセージを伝えると信じています。そして、その後に、故国ポ-ランドに帰っていただこうと決めました。少し悲しく、惜しいけれど、これも老いて行く私の「終活」なのかも知れません。ぜひ最後に会いに来てください。詳細はまたお知らせします。
新しい年が、皆様にとって良い年でありますよう…。私は、悔いのない一年にするために、怒るべきところで怒ろうと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
2015年 元旦
テレジンを語りつぐ会・代表 野村 路子